東京にオリンピックを呼んだ男

2014年10月11日

東京にオリンピックを呼んだ男

フジテレビ開局55周年スペシャルドラマ『東京にオリンピックを呼んだ男』を見ながら思った。
敗戦国の日本は1948年のロンドン五輪への参加が認められなかった。そのため日本水泳連盟はロンドン五輪の水泳競技決勝と同日に開催し、古橋廣之進は400m自由形4分33秒4、1500m自由形で18分37秒0を出し、ロンドン五輪の金メダリストの記録および当時の世界記録を上回ったが、日本が国際水泳連盟から除名されていたため世界記録としては公認されなかった。…1949年6月に日本の国際水泳連盟復帰が認められ古橋や橋爪四郎ら6選手は8月にロサンゼルスで行われた全米選手権に招待されて参加し、9種目で世界新記録を樹立しアメリカの新聞では「フジヤマのトビウオ」(The Flying Fish of Fujiyama)と呼ばれた。(参照:ウィキペディア)ただし、この出場の条件として日本人選手はユニホームの胸に日の丸を付けることが許されなかったそうだ。しかし、この日本水泳の大活躍は世間を驚かせ、これを機にオリンピック招致は大きく動き出した。

人というものが生きていくためには誇りも必要だ。
戦勝国のアメリカの地で起こした「フジヤマのトビウオ」旋風は、敗戦国の日本国民を強く励ました。
同様にアジアで初めてのオリンピックが開催されることは、敗戦国の日本国民にとって大きな誇りとなるものだった。

実は東京オリンピックに中華人民共和国は出場しなかった。中国を代表する国家の地位をめぐって中華民国と対立していた中華人民共和国は、独立した国内オリンピック委員会としてIOCに加盟していた中華民国の扱いへの反発から1958年にIOCを脱退していたためによる。当時の中国人はどんな思いでアジア初のオリンピックが日本で開催されるのを眺めていたのだろうか。中華人民共和国にとって戦争で負けた日本が先にオリンピックを開催することは屈辱的だったのではないか。


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Posted by きょん at 21:29│Comments(0)■東京のこと
 
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